2021年の短歌まとめ

今年は例年とは趣向を変えて、Twitterに投稿(垂れ流し)していた一首評のまとめにしたいと思います。 改めて読みかえしてみると変なことやわかりにくいことを言ってる部分も多いので、適宜補足しつつという感じで。 こんなことするならはじめからブログに書…

2020年の短歌まとめ

今年は本当に例年になく多忙で、去年に輪をかけて薄い内容になると思いますが、個人的な振り返りも兼ねて、やっていきたいと思います。睡眠時間は時間経過に算入しないでほしい— 予言(初版本は交換対応中) (@suzuchiu) 2020年12月29日 まず、私事ですが、昨…

2019年の短歌まとめ

いつもお世話になっております。 1年ぶりの更新ですが、今年は去年に輪をかけて短歌を読めていません。すみませんでした。 2019年、体感的には3年くらいあった気もするし、気を失ってる間に一瞬で過ぎてしまったような気もする。— すこやか (@suzuchiu) 2019…

2018年の名歌まとめ

2018年に読んだ短歌の中で個人的に名歌だと思ったものをちゃんとまとめておこうと思ったのでまとめます。順不同です。 名歌は数少ないですが、その名歌に出会うために短歌をやっているみたいな気持ちもある。ほんとうにいい短歌というのはほとんどないので、…

文学フリマ25告知

文学フリマというイベントが明日あります。c.bunfree.net 稀風社の新刊はありません。当日は既刊の在庫とフリーペーパーを(たぶん)頒布します。よろしくお願いします。 いわゆる「新刊落ちました」というわけではなくて、今回は主に多忙によりはじめから刊…

鳥についばまれないよう網をしてそのなかに魚が干してある (短歌の感想 その8)

鳥についばまれないよう網をしてそのなかに魚が干してある /「名と叫び」三上春海 朝日新聞2016.1.5夕刊 特にむずかしいことも、あるいは何かすごくて高尚なものもここには詠まれていないような気がする。認識された光景をただ簡潔に、あくまで理知的に述べ…

突っ張り棒が突然落ちる 壁紙のくぼみに先を再びあてる (短歌の感想 その7)

突っ張り棒が突然落ちる 壁紙のくぼみに先を再びあてる /山本まとも「デジャ毛」(「短歌研究」2014.9) この一首はいわゆる「あるあるネタ」の歌だろうか。 たしかに一面においてはそうかもしれないと思う。日々の暮らしの中のさまざまな場面で無言の貢献を…

しろくまカレーライス園 そこではみんながにこやかにカレーを食べてしろくまを見る (短歌の感想 その6)

しろくまカレーライス園 そこではみんながにこやかにカレーを食べてしろくまを見る (溺愛「動物図鑑」神大短歌1号/2014.9) 初句に提示されている「しろくまカレーライス園」というフレーズは独創的な固有名詞で、それに対してスペースを空けた二の句以降…

石井僚一「父親のような雨に打たれて」を読む

短歌研究 2014年 09月号 [雑誌]作者: 短歌研究社出版社/メーカー: 短歌研究社発売日: 2014/08/21メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る 1.石井僚一さんについて 石井さんとはこの前の九月の下旬にはじめてお会いした。それ以前にもUSTREAMでの歌会配信…

終わらせてしまわぬように知っている海の名前をひたすら挙げる (短歌の感想 その5)

久しぶりの更新ですが、5月の文フリの収穫本から一首。 今更感がすごいですが文フリお疲れ様でした。お蔭様で『海岸幼稚園』なかなか売れました。お越しくださった皆様ありがとうございました。 終わらせてしまわぬように知っている海の名前をひたすら挙げ…

子守の人間は来ないよ 綿棒を捻じ曲げると曲がることを知る (短歌の感想 その4)

文学フリマお疲れ様でした。いろいろ思うこともあったけどそれはそれとして後で書けたら書く。 子守の人間は来ないよ 綿棒を捻じ曲げると曲がることを知る ハチ (『メンヘラリティ・スカイ』より) 今回の文フリも短歌のサークルが短歌の本をいっぱい出して…

第17回文学フリマ告知

サークル名「稀風社」で今回も出展します。新刊は『稀風社の薄情』です。薄い本なので薄情です。内容は主に短歌をめぐるリレーエッセイで、自分も短歌について、というよりも「稀風社」についての文章を寄稿しています。頒価は300円の予定。 表紙は.あい…

父が以前住んでましたと言いかけてやめて鍋へとなだれるうどん (短歌の感想 その3)

父が以前住んでましたと言いかけてやめて鍋へとなだれるうどん 中村美智 (『北大短歌 創刊号』より) 4月14日の文学フリマで買った本をちまちま読み進めている。その中から一首。 複数人で鍋を囲む座の光景が浮かぶ。「うどん」が鍋へと投入されるというこ…

NoFuture,NoFutureと口ずさむ白いベースを売りにゆく道 (短歌の感想 その2)

NoFuture,NoFutureと口ずさむ白いベースを売りにゆく道 遠野サンフェイス『ビューティフルカーム』より 遠野サンフェイスさんは主にツイッターやtmblrなどで短歌を発表されていた(現在は休止中?)方で、私家版の写真歌集『ビューティフルカーム』は、単語…

父といて父はるかなり春の夜のテレビに映る無人飛行機 (短歌の感想 その1)

父といて父はるかなり春の夜のテレビに映る無人飛行機 『寺山修司未発表歌集 月蝕書簡』寺山修司(田中未知編)より これから読んだ短歌の感想をちょくちょくブログに書いていきたい。 いきなり上に引用した歌ですが、寺山修司晩年の未発表作品。「父」とい…

いつか誰かに話したことの焼き直し

世の中には類友の法則とかいうのがあって、それはインターネットでも例外じゃないどころかインターネットではむしろ加速されるせいで、社会生活を営むのにに何らかの問題がある(自称)人とばかり知り合って交流を深めていってるブログ5年目ツイッター4年…

抑圧の光景のこと

最近これの編集作業をぼつぼつと進めていて、インターネットの素人(僕もだけれど)のひとの短歌を、今までにない量とペースで読んでいるのだけど、そういう作業をしていると、短歌って一体何なのかよくわからなくなってくる。いや、もともとわかってなんかい…

定型詩と「説明的」であるということについて。

このブログのサブタイトルが「抒情の方法論」であったことをふいに思い出したので、そういう話をしたいと思う。 この前とある人の短歌についてツイッター上で少々言及をしたのだけれど、そこで何の前置きもなく「説明的」という言葉で言い表してしまったのを…

誤配と可能性

稀風社の今後をめぐるカミハルさんとのお話については、ここで何か書いたり答えたり伝えたりとか、そういうことは特にやらないつもりで、別の機会にスカイプ通話とかでお話合いができればそれでいいかなと思う。少なくとも、全世界というのはさすがに大げさ…

iPhoneをなくしたひとの話

22年も自分をやっていると、だいたい自分という人間が何をやるのかとか何をやらかすのかとかがだいたいわかってきて、正直アイフォーンをなくしたぐらいではあまりパニックになったりひどく落ち込んだりはしなかった。いつかそういうことをやるだろうと思…

ブログを書くまで寝ない実験 その2

誰がなんと言おうとも、やっぱり詩と言うのは豊かさの産物なんだろうと僕は思っていて、かねがねそういうことを言い続けている。詩が豊かさの産物だと言うのは、まず第一に詩を作る側における現実としてあるのだろうけど、それ以上に、詩を享受する側にとっ…

ブログを書くまで寝ない実験 その1

今の部屋に越してきてもう4か月くらい経っていて、さすがに隣人が小太りなおじさんであることくらいは知っていたのだけど、今朝玄関のドアを開けて外へ出たらいきなり真横にそのおっさんが立っていたのでびっくりした。上は水色の半袖シャツ、下は短パンとパ…

ブログを書けないひとの話

ブログを書けません。 しかし、そもそもブログを書けないという言い方自体がおかしくて、ブログというのは書きたい人が書きたいことを書きたいように書くべき場所であって、書けないものを無理に書こうとする必要は全く無いはずです。書きたいもの、書くべき…