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抒情の方法論

短歌

鳥についばまれないよう網をしてそのなかに魚が干してある (短歌の感想 その8)

鳥についばまれないよう網をしてそのなかに魚が干してある /「名と叫び」三上春海 朝日新聞2016.1.5夕刊 特にむずかしいことも、あるいは何かすごくて高尚なものもここには詠まれていないような気がする。認識された光景をただ簡潔に、あくまで理知的に述べ…

突っ張り棒が突然落ちる 壁紙のくぼみに先を再びあてる (短歌の感想 その7)

突っ張り棒が突然落ちる 壁紙のくぼみに先を再びあてる /山本まとも「デジャ毛」(「短歌研究」2014.9) この一首はいわゆる「あるあるネタ」の歌だろうか。 たしかに一面においてはそうかもしれないと思う。日々の暮らしの中のさまざまな場面で無言の貢献を…

しろくまカレーライス園 そこではみんながにこやかにカレーを食べてしろくまを見る (短歌の感想 その6)

しろくまカレーライス園 そこではみんながにこやかにカレーを食べてしろくまを見る (溺愛「動物図鑑」神大短歌1号/2014.9) 初句に提示されている「しろくまカレーライス園」というフレーズは独創的な固有名詞で、それに対してスペースを空けた二の句以降…

石井僚一「父親のような雨に打たれて」を読む

短歌研究 2014年 09月号 [雑誌]作者: 短歌研究社出版社/メーカー: 短歌研究社発売日: 2014/08/21メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る 1.石井僚一さんについて 石井さんとはこの前の九月の下旬にはじめてお会いした。それ以前にもUSTREAMでの歌会配信…

終わらせてしまわぬように知っている海の名前をひたすら挙げる (短歌の感想 その5)

久しぶりの更新ですが、5月の文フリの収穫本から一首。 今更感がすごいですが文フリお疲れ様でした。お蔭様で『海岸幼稚園』なかなか売れました。お越しくださった皆様ありがとうございました。 終わらせてしまわぬように知っている海の名前をひたすら挙げ…

子守の人間は来ないよ 綿棒を捻じ曲げると曲がることを知る (短歌の感想 その4)

文学フリマお疲れ様でした。いろいろ思うこともあったけどそれはそれとして後で書けたら書く。 子守の人間は来ないよ 綿棒を捻じ曲げると曲がることを知る ハチ (『メンヘラリティ・スカイ』より) 今回の文フリも短歌のサークルが短歌の本をいっぱい出して…

父が以前住んでましたと言いかけてやめて鍋へとなだれるうどん (短歌の感想 その3)

父が以前住んでましたと言いかけてやめて鍋へとなだれるうどん 中村美智 (『北大短歌 創刊号』より) 4月14日の文学フリマで買った本をちまちま読み進めている。その中から一首。 複数人で鍋を囲む座の光景が浮かぶ。「うどん」が鍋へと投入されるというこ…

NoFuture,NoFutureと口ずさむ白いベースを売りにゆく道 (短歌の感想 その2)

NoFuture,NoFutureと口ずさむ白いベースを売りにゆく道 遠野サンフェイス『ビューティフルカーム』より 遠野サンフェイスさんは主にツイッターやtmblrなどで短歌を発表されていた(現在は休止中?)方で、私家版の写真歌集『ビューティフルカーム』は、単語…

父といて父はるかなり春の夜のテレビに映る無人飛行機 (短歌の感想 その1)

父といて父はるかなり春の夜のテレビに映る無人飛行機 『寺山修司未発表歌集 月蝕書簡』寺山修司(田中未知編)より これから読んだ短歌の感想をちょくちょくブログに書いていきたい。 いきなり上に引用した歌ですが、寺山修司晩年の未発表作品。「父」とい…